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LANケーブルの選び方は?速度や規格、長さなどおすすめを解説
LANケーブルは有線でのインターネット接続に欠かせないアイテムですが、カテゴリや構造、形状など、様々な種類があります。この記事では、LANケーブルの基本的な知識や選び方のポイントを詳しく解説します。目的に合ったLANケーブルを選ぶことで、安定した高速通信を実現しましょう。 |
LANケーブルとは何か?
LANケーブルは、Local Area Networkの略称であるLANにおいて、有線でインターネットに接続する際に不可欠なケーブルです。パソコンをはじめとするインターネット接続機器を、モデムやルーター、ハブなどに接続する目的で使用されます。
LANケーブルは通信速度や周波数の違いによりカテゴリに分類されており、それぞれ性能に差異があります。用途に応じて最適なLANケーブルを選択することが重要です。
LANケーブル選びのポイント
LANケーブルにはカテゴリや形状、特徴など様々な種類があります。以下の観点を考慮し、用途に適したものを選択しましょう。
LANケーブルのカテゴリによる分類
LANケーブルは規格であるカテゴリによって分類され、カテゴリの数字が大きいほど通信速度が速く、伝送帯域が広くなります。速度の順番は、Cat8>Cat7A>Cat7>Cat6A>Cat6>Cat5eとなります。
使用環境に合致したカテゴリを選択することが肝要です。例えば、1Gbpsの光回線サービスを利用しているのにカテゴリ5のLANケーブルを使うと、通信速度の低下や接続不良が生じる可能性があります。
一方で、LANケーブルには上位互換性があるため、カテゴリ5e対応機器にカテゴリ6のケーブルを使用することも可能です。一般家庭ではカテゴリ5eか6程度の性能で十分ですが、接続機器の仕様を確認し最適なLANケーブルを選びましょう。
カテゴリとは何か?
LANケーブルにはカテゴリという区分があり、この数字が大きいほど高速通信に対応できるという特徴があります。カテゴリは、ケーブルの性能を表す指標で、現在主流なのはカテゴリ5からカテゴリ8までです。数字が大きくなるほど、より高い周波数帯域でのデータ伝送が可能となり、1秒あたりに送信できる信号の数が増加するため、通信速度が向上します。
数字が大きいほど高速通信に対応
現在市販されているLANケーブルは、カテゴリ5~8に分類されています。カテゴリの数字が大きくなるにつれて、より高い周波数帯域(伝送帯域)でのデータ伝送が可能となり、1秒あたりに送信できる信号の数が増加するため、伝送速度が向上します。上位カテゴリのケーブルは、高品質な材料の使用や高度な技術の採用など、高い周波数帯域での通信を実現するための様々な工夫がなされています。
カテゴリはあくまで理論上の最大値であり、実際の通信速度は接続機器や回線の状況に依存します。例えば、CAT8のLANケーブルを使用しても、接続機器や回線がCAT5e相当の性能しかない場合、CAT5e相当の通信速度に留まります。
利用中の回線や機器の性能に合ったカテゴリを選択することで、機器の性能を最大限に発揮できます。逆に、機器のスペックを超えるカテゴリのケーブルを使用しても、通信速度に変化がない場合があります。
ノイズ耐性の向上が通信の安定化につながる
イーサネットの通信速度はLANケーブルだけで決まるわけではありません。接続する全ての機器が対応する最も低い速度に合わせられます。その中で上位カテゴリのケーブルを使う意義は「耐ノイズ性」にあります。
各カテゴリの性能を最大限に発揮するには、ケーブル以外の接続機器も対応している必要があります。10G BASE-Tの機器が普及し始めている現在、10Gbps通信に対応するカテゴリ6A以上のカテゴリ6A、7、8のケーブルがおすすめです。
カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 | 通信規格 | 特徴 |
カテゴリ5 | 100Mbps | 100MHz | 100BASE-TX | |
カテゴリ5e | 1Gbps | 1000BASE-T | 一般家庭に最適 | |
カテゴリ6 | 250MHz | 100BASE-TX | ||
カテゴリ6A | 10Gbps | 500MHz | 10G BASE-T | オンラインゲームに適する |
カテゴリ7 | 600MHz | |||
カテゴリ7A | 1000MHz | ノイズの多い環境向け | ||
カテゴリ8 | 40Gbps | 2000MHz | 40G BASE-T |
LANケーブルの芯線の種類(単線とより線)
LANケーブルの内部には8本の銅線(芯線)が収められています。単線やより線は、それぞれの芯線の種類を指します。ケーブル長が10m以上の場合は「単線」、5m以下の場合は「より線」がおすすめです。
単線ケーブル
1芯が1本の銅線で構成されており、安定した通信が可能です。ケーブルが硬いため、取り回しが難しいという特徴があります。
より線ケーブル
1芯が7本の細い銅線で構成されています。柔軟性があるためケーブルの取り回しが容易ですが、線が捻られることでノイズを抑制しているので、捻りを解くとノイズが入りやすくなります。単線と比べて安定性は劣ります。
LANケーブルの形状の種類(スタンダード、細径、フラット)
LANケーブルの形状には、スリムタイプやフラット型など様々な種類があります。配線場所に適した形状のLANケーブルを選択しましょう。
スタンダードケーブル
最も一般的な丸型の形状をしたLANケーブルです。特にこだわりがない場合はこちらを選ぶとよいでしょう。
極細(スリム)ケーブル
極細(スリム)ケーブルは主によりの仕様で、取り回しが容易なため狭い場所の配線に適しています。携帯性に優れますが、通信の安定性は低下します。
フラットケーブル
フラットケーブルは平たい形状のケーブルです。カーペットの下や壁際、ドアの隙間などの配線に最適です。ただし、ノイズに弱いため長距離での使用はおすすめできません。
LANケーブルの特徴(爪折れ防止、UTP、STP、金属外皮、抗菌、PoE対応)
LANケーブルには多様な特徴があります。配線場所に合わせて適切な特徴を持つLANケーブルを選択しましょう。
爪折れ防止ケーブル
爪折れ防止LANケーブルは、コネクタ部の爪が折れにくい設計のLANケーブルです。保護カバーが付いているものや、ナイロン製の折れにくい爪を採用したものなどがあります。爪が折れるとケーブルの固定ができなくなり、正常に使用できなくなるため、爪折れ防止のLANケーブルは強くおすすめです。
UTPケーブル
UTPケーブルはUnshielded Twist Pair cableの略で、カテゴリ5、5e、6までは基本的にUTP仕様のケーブルです。UTPケーブルは内部がシールドで保護されていないためノイズ対策は高くありませんが、一般家庭や企業での使用には十分対応可能です。
STPケーブル
STPケーブルはShielded Twist Pair cableの略で、ノイズ対策を強化したLANケーブルです。内部がアルミ箔で保護されているため、ノイズに対する安定性が高まります。カテゴリ7以降はノイズ対策が強化されたケーブルですが、カテゴリ5e、6、6AでもSTP仕様のケーブルが存在します。UTPケーブルと比べて価格は高めです。
金属外皮ケーブル
金属外皮ケーブルは、外皮が金属製で耐久性に優れた防鼠LANケーブルです。ねずみやペットによるケーブルの噛み切りや、踏みつけによる断線を防止できます。
抗菌ケーブル
菌の繁殖を抑制する効果のある抗菌素材を被膜に練り込んだLANケーブルです。細菌の増殖を抑えるため、医療施設や研究機関など清潔さが求められる環境で安心して使用できます。
PoE対応ケーブル
PoE(Power over Ethernet)は、LANケーブルを利用してPoE対応機器(無線アクセスポイント、ネットワークカメラ、IP電話など)に電力を直接供給できる技術です。PoEを使うことで、電源を別途取る必要がなくなり、LANケーブル1本で電力供給が可能になります。そのため、コンセントの取りにくい天井や屋外でもネットワーク機器の設置が可能です。
h4 PoEにはPSE(給電機器)とPD(受電機器)がある
PoEには電力供給できるPSE(給電機器)と、給電を受けコンセントなしで動作するPD(受電機器)の2種類があります。スイッチングハブには給電タイプと受電タイプの両方が存在するため、設置場所に合わせて選択する必要があります。
LANケーブルの結線方式(ストレート、クロス)
LANケーブルにはストレートケーブルとクロスケーブルという2種類があります。最近ではほとんどがストレートケーブルで配線可能ですが、接続機器に合わせてLANケーブルを選択しましょう。
ストレートケーブル
ストレートケーブルはパソコンとパソコン以外の機器(ハブやルーターなど)を接続する際に使用するケーブルです。ケーブル内の銅線が途中で交差せず、両端で同じピン配列になっています。そのため、コネクタ部分を見ると同じ色の線が同じ順番で並んでいます。
クロスケーブル
クロスケーブルは、パソコン同士を機器を介さずに直接接続する場合に使用するケーブルです。単純に2台のパソコンをケーブルで接続しデータ通信する際にクロスケーブルを使用します。ケーブル内の銅線が途中で交差しており、両端でピン配列が異なります。コネクタ部分を見ると、同じ色の線の並び順が異なっています。
まとめ
LANケーブルは有線でのインターネット接続に必要不可欠で、カテゴリという区分で性能が分けられています。カテゴリの数字が大きいほど高速通信に対応できます。LANケーブルを選ぶ際は、カテゴリだけでなく、ケーブルの構造や形状、特徴なども考慮し、使用環境や用途に合ったものを選ぶことが重要です。
現在は10Gbps通信に対応するカテゴリ6A以上のケーブルがおすすめですが、実際の通信速度は接続機器や回線の状況に依存することを忘れてはいけません。LANケーブルには通信の安定性というメリットがある一方で、配線の煩雑さというデメリットもあります。これらの点を踏まえて、自分の使用環境や用途に最適なLANケーブルを選択しましょう。
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